ドイツ人は明確な意図をもち、その意図を現実に移行して実行する組織をつくりあげた。たとえ、その意図が狂気に等しく、方法論は人間ではなく悪魔が発案したと思われもので、その組織は冷酷無情な機会に等しかったとはいえ、意図と方法論とそれに基づく組織があったことは否定できない。


一方日本はどうであったか。当時、日本を指導していた軍部が、本当は何かを意図していたのか、その意図は一体何だったのか、おそらくだれにもわかるまい。というのは、日華事変の当初から、明確な意図などは、どこにも存在していなかった。ただ常に、相手に触発されてヒステリカルに反応するという「出たとこ勝負」をくりかえしているにすぎなかった。意図がないから、それを達成するための方法論なぞ、はじめからあるわけがない。従ってそれに応ずる組織ももちろんない。そして、ある現象が現れれば、常にそれに触発され、あわてて対処ぶるだけである。従って何の成果もあがらない。


では、なぜこのように、全く成果のあがらないことをするのか。言うまでもなくそれは、成果があがらないとなると、その方向へただ量をだけ増やして、同じことをくりかえすことが、それを克服する方法としか考えられなくなるからである。

それはまさに機械的な拡大生産的繰り返しであり、この際、ひるがえって自らの意図を再確認し、新しい方法論を探求し、それに基づく組織を新たに作りなおそうとしない。


私が戦った相手、アメリカ軍は、常に方法を変えてきた。あの手がだめならこれ、この手がだめならあれ、と。同じ型の突撃を馬鹿の一つおぼえのように機械的に何回も繰り返して自滅したり、同じ方向に無防備に等しいボロ船船団を同じように繰り返し送り出して自ら大量「死のベルトコンベア」を作るようなことはしなかった。

 あれが日本軍なら、五十万をおくってだめなら、百万を送ってだめなら二百万をおくる。そして極限まで来て自滅するとき「やるだけのことはやった、思い残すことはない」と言うのであろう。一億数千万円とかを投入した小野田少尉の捜索が失敗したとき、それに携わった人が言った言葉が、やはり「やるだけのことは、やった」であった。そして、バシー海峡ですべての船舶を喪失し、何十万という兵員を海底に沈め終わったとき、軍の首脳はやはり言ったであろう「やるだけのことはやった」と。

これらの言葉の中には「あらゆる方法を探究し、可能な方法論をすべてを試みた」という意味はない。ただある一方法を一方向に、極限まで繰り返し、その繰り返しのための損害の量と、その損害を克服するために投じつづけた量と、それを投ずるため払った犠牲に自己満足し、それで力を出しきったとして自己を正当化しているということだけであろう。


だが、わずか三十年全ての人がバシー海峡の名前を忘れてしまった。なぜであろうか。おそらくそれは今でも基本的には全く同じ行き方をつづけているため、この問題に触れることを、無意識に避けていたからであろう、従ってバシー海峡の悲劇はまだ終わっておらず、従って今それを克服しておかなければ、将来、別の形で噴出してくるであろう。


「日本はなぜ破れるのか-敗因21か条」山本 七平著


バシー海峡の悲劇


バシー海峡は台湾とフィリピンの間の約100kmの海峡だ。最深部の水深は約5000m。最狭部の幅は,台湾最南端の小蘭嶼(しようらんしよ)とフィリピン最北端のイアミ島との間で約85kmである。

この海峡は対戦末期に制海権も制空権も抑えられたにもかかわらず最終決戦の地に時速数ノットの輸送船を送り込み次から次へと沈められた悲劇である。


http://matome.naver.jp/odai/2140194619792471801


大戦で散った船員の思い… 「輸送船の墓場」バシー海峡に眠る父へ

約2600隻が沈没、6万人余の船員が犠牲になった。兵隊は何倍だろう。

昭和17年から19年で倍、またその倍と増えている。17年6月のミッドウェー海戦で制海・制空権を失っているのに船を送り続けためだ。

米潜水艦、航空機の餌食となった。

その1人が千葉市の大里純一さん(70)の父、武男さんだった。

12日に開かれた千葉市戦没者追悼式で遺族代表の大里さんが「バシー海峡に眠る父へ」として最期を明かした。

19年10月2日、「輸送船の墓場」といわれた台湾とフィリピンの間のバシー海峡。

武男さんが乗船した津山丸は台風で護衛船とはぐれ、目的地まであと少しというところで魚雷が命中して沈没。

南方へ転戦させる陸軍部隊と船員ら1千人以上が波間に消え、満載の戦車なども沈んだ。


http://newskenm.blog.fc2.com/blog-entry-1239.html


敗戦から67年、「百万人を超える兵士が飢えて死んだとは、ほとんどの日本人は知らな­い」、太平洋戦争の中でも飢餓戦線といわれたニューギニアで戦った89歳の飯田進氏が­語る「戦争の真実」とは。

https://www.youtube.com/watch?v=k9jSutaes5o



福島原発事故を通して痛切に常に思い起こされる言葉

「従ってバシー海峡の悲劇はまだ終わっておらず、従って今それを克服しておかなければ、将来、別の形で噴出してくるであろう。」

人命軽視、利益優先、保身、嘘、虚報、連携をとれない・・・・・

そんな日本を見て

「日本は、これだけの大事故を起こしても変われないのか?」

と何人もの海外有識者は首をかしげる。

日本の抱えるこれらの根深い病理的な問題を全身全霊をもって追い続けた山本七平。

その起源を、江戸時代の水戸学にまで遡り、上記日本的な玉砕戦法の起源は、西南戦争の西郷軍の滅び方だと指摘する。

福島に話を戻すと

海外からの専門家の支援をすべて断り。

廃炉に至る道筋も全く見当たらず。

原子炉を冷やすために汚染水が増え続け、解決策も見当たらず。

防潮堤や除染という日本的公共事業の利権分配の繰り返しというお粗末。

しかも、歴代首相が安全宣言をする愚かしさ。

海外から見れば狂気の沙汰だろう・・・・

メディアによる大本営発表と原子力利権を死守しようとする無能集団の愚行の数々。

「それはまさに機械的な拡大生産的繰り返しであり、この際、ひるがえって自らの意図を再確認し、新しい方法論を探求し、それに基づく組織を新たに作りなおそうとしない。」


明治維新以降の薩長閥という利権集団。

という問題と戦後のアメリカによる薩長閥=自民党支配

一貫して忘却の民である我々日本人という問題。

そして無自覚な日本メディアの愚行。

日本の政治に顕著な暴力団とカルトの浸透と影響


それらは、あたかも欲望のメルトダウンとでも呼ぶべき何事か・・・・

これらに比べれば中国や北朝鮮など脅威と言えるのだろうか?


我々日本人に必要なことは、起こったこと、起きていることを正確に知り、伝える。

ただそれだけなのだが・・・・これが出来ないのだ。

政府も東電もメディアも自分たちの利益しか考えていないようだ。

その結果、放射能によって国が滅びても・・・・

我々日本人は、あたかもボロ船に乗って米潜水艦の潜むバシー海峡を渡っているようなものだ。



チェルノブイリ原発事故が起きて、5年ほどで、あれよ、あれよという間にソビエトは崩壊した。

ゴルバチョフによればソビエト連邦が崩壊した真の原因はチェルノブイリ だという。

しかし、あのソビエト政府でさえ事故直後に子供たちを真っ先に安全な場所へ避難させている。

そして延べ数万人に及ぶというソビエト兵が、Tシャツ一枚で原発の地下に穴を掘り廃炉への礎を築いているのだ。


海外から見た日本がどう映るか?

 米ウッズホール研究所のケン・ブースラーは「放射能汚染水を止める方法は現実的にない」と英BBCで発言している。

 長年、世界の原子力政策に関わってきた大物専門家もこう言う。

 「IOCが東京でオリンピックをやると決めた以上、現状をしっかりと伝え、日本は国内と世界の人々の信頼を得られるよう尽力しないといけない。コントロールできていると首相が言ったのに、すぐに東電ができていないという。国際社会は何を信じればいいのか。しっかりと事実を伝えないと、日本政府は福島の影に覆われて最終的にはオリンピック開催を諦めるという選択に迫られる可能性だって出てくるかもしれない」

 さらに続けて言う。

 「安倍は世界の前で汚染水の影響は原発周辺に限定されていると断言した。海に流れてどう食物連鎖に入り込むのかも把握されない汚染水を、誰がどうコントロールできるのか。これほどの量が海に流れ出たことは前例がない。安倍の発言はとんでもない誤解を招くものだ。被害を把握できない驚くほどの無能ぶりを露呈しただけか、はたまた、あからさまに世界の認識を操作しようとする試みだったのか」


http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1310/18/news022_2.html


わが国の利権集団である亡国の守銭奴たちが、どれだけ嘘を並べても無意味なのだ。

今一度山本の言葉を・・・

「私自身は、その人がどんな思想を持とうとその人の自由だと思うが、ただもし許されないことがあるなら、自己も信じない虚構を口にして、虚構の世界をつくりあげ、人びとにそれを強制することであると思う。簡単にいえば、日本の滅亡より自分の私物が心配なら軍人になるのをやめ、日本の運命より家作が心配なら、はっきりとそう言ってその言明にふさわしい行動をとればそれで十分だということである。」

安全神話という虚構、そして放射能安全神話という虚構。

責任回避と原子力利益追求によりこの国が滅亡しかけていることがわからない日本。

そんな状況の中で広瀬隆がこんなことを言っていた。

NHKのテレビで3時間話させて欲しいと・・・・そうすれば現実的解決に繋がるだろうと・・・・

業界では、放送禁止物体と呼ばれる広瀬隆が日本のメディアに登場したら面白いことになるかと思う。


多角的な視野で情報を発信している東海アマのブログより↓


フクイチ・メルトダウン爆発事故で放出された放射能総量は約8トンで、ほぼチェルノブイリ事故に匹敵するものであった。ならばチェルノブイリで起きたことが、そのまま日本で再現されるのは当然のことだ。
 
チェルノブイリで、いったい何が起きたのか?

 この事故で、ソ連政府も後継のロシア政府も、未だに事故による死者総数は33名と言い張っている。だが、ウソで固めたことしか言わないソ連、ロシアの公式声明を真に受ける者は人類に皆無だろう。たぶん当のロシア政府関係者や国民の誰一人信じていない。身近に放射能による莫大な死者を見せつけられてきたはずだから。

 国連機関を装ってはいるが実質、原子力産業の代理機関であるIAEAですら死者4000名と評価していて、これも原子力産業に乗っ取られたICRP国際放射線防護委員会は数万名程度の死亡と評価、信頼性の高い欧州核医学研究機関ECRRは140万人の死者が出たと主張し、これを裏付けるようにウクライナ政府の下部機関も自国だけで、すでに150万人の死者が出たと公表した。
 
だが、これらの数字すら膨大な死者数の氷山の一角にすぎないのである。

http://tokaiama.blog69.fc2.com/


そして広瀬隆の動画

広瀬隆「第二のフクシマ・日本滅亡」東海原発廃炉から始まる新時代

https://www.youtube.com/watch?v=xU8kegbSG30


19日付の毎日新聞に衝撃的な記事が載っていた。「解体先進国」の英国でも、原発の廃炉作業には90年を要するというのだ。福島より小規模で、正常に停止した原発でも、それだけの歳月がかかってしまう。爆発を起こしてグチャグチャの福島原発の場合、途方もない時間がかかるのは間違いない。

「汚染水問題を見れば分かるように、『冷やす、止める、封じ込める』という当初のスキームは完全に破綻しています。このままでは、40年で廃炉どころか、何十年と汚染水を海へ垂れ流し続けることになる。メルトダウンした1~3号機は、線量が高いため作業員が近づけず、いまだに原子炉内の様子は分からない。計器類も壊れていて、現状把握すらできないのです。チェルノブイリ原発は、たった1基の事故で、廃炉までに100年以上かかるとみられています。福島原発は破損箇所の特定もできず、メルトスルーした燃料を取り出す策もない。事故処理は今後、何世紀にもわたって、将来世代に負担を課すことになります」(横田一氏=前出)

溶け出した燃料は、扱いを間違えれば再臨界の恐れもあるが、取り扱う技術はどこにもない。原発の「安全神話」を妄信してきたツケだ。もはや人間の手には負えない事態になってしまった。事故の深刻さの前に、呆然と立ち尽くすしかない。


http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-9640.html


書いていて一番思うこと。

テレビと新聞が本当の情報を流せばいいだけなのだ・・・・

我が国未曾有の危機をなぜ我々日本人は、共有できないのだろうか?

政府とメディアが危機を安全だと言い換えるからだと思う。

安全だと言い続けることで責任を回避し解決に至らず。

これが、敗戦を転身と呼び、敗北を勝利と言い換えた大本営と同じ病理から来る。

故に未だに敗戦記念日と呼べず終戦記念日と言い続ける。

現実を言霊によって解決しようとする呪術なのだと思う。

そう、竹槍で米軍と本土決戦で戦おうとしていた方法論と一緒だ。

日本人は、アジア全土で2千万を超す人命を奪い、多くの日本人も命を失い、国家経済は破綻し、多くの餓死者をだし、日本全土は、焦土と化し、原爆まで落とされたのだ。

ほぼ、同じことが今、進行中なのだ。


そんな状況の中でわが国の軍需企業である三菱重工は、原発を地震国トルコへ輸出するという狂気のビジネスも進行中だ

http://www.nikkei.com/article/DGXZZO62265460X01C13A1000000/

狂気のビジネスの実態は↓

http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/575a54fd550602a7d9c9b133330d6d62


三菱重工業製の蒸気発生器の配管破損で水漏れ事故を起こし、稼働が停止していた米カリフォルニア州南部のサンオノフレ原発について、運営する米サザン・カリフォルニア・エジソンは現地時間6月7日、全ての原子炉を廃炉にする、と発表した。エジソン社は三菱重工に対し、損害賠償を請求するとしている。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36079


福島第一原発の事故をきっかけに、原発への不安が世界に広がっている。その一方で、原発ぬきで気候変動やエネルギー不足に対処できるのか、という疑問もある。原子力政策はどうなるのか。各国の動きを追った。


http://globe.asahi.com/feature/110417/


世界の原発は429基、約3億9000万キロワット-狂気の地球

http://onodekita.sblo.jp/article/73776749.html


2030年頃には世界の原発は800基ほどになるという。

その頃までに環境を浄化する発明か発見がなされなければ

日本を筆頭に生態系が壊滅的に破壊される可能性が大きい。

放射性物質、放射線、放射能除去技術まとめ

http://matome.naver.jp/odai/2130386375388839501

ヒマワリが放射能汚染を20日で95%除去(露)

http://media.yucasee.jp/posts/index/7021?la=0003


本当の意味での被災者支援というのは、環境の回復なくしてあり得ないのではないかと。そういう意味では、水俣でずっと行われていたような、海の底の水銀を除く事業だとか、富山で行われていたカドミウムを除く事業だとか、そういうものを福島でもきちんとやらないといけないし、これからきっとそういう話になってくると思います。


http://www.yullege.jp/?p=854&page=4


(-∧-)合掌・・・